香川からインドネシアへ✈︎

世界の水環境問題に興味を持った高専生が香川からインドネシアにトビタチます。インドネシアの日常、環境にフォーカスした活動をご紹介します。【トビタテ4期、トビタテ!留学JAPAN】

ジョグジャの掃除人? Gomi-Shori-Project を取材

ラマダン月の終わった2016年8月頃より、インドネシアの古都、また教育の街として知られるジョグジャカルタにてゴミ処理に活動に励む一つの団体がある。

 

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ミーティングで現在の問題などを説明する代表の宮崎君

 

今回はその団体 Gomi-Shori-Project の定例ミーティングに参加し、活動内容を取材してきた。Gomi-Shori-Projectは、このプロジェクトの発起人である日本人学生を中心にインドネシア人10名ほどがこの活動に参加している。

この活動のきっかけは、彼がバリ島でのクリーンアップのプロジェクトに参加した際に見た途上国のゴミ処理の不十分さを感じ、この現状に危機感を感じたからだという。本来はボランティアに頼るのではなく、インドネシアの問題はインドネシア人が主体になって解決すべきである。そんな想いからインドネシア人主体のプロジェクトを立ち上げた。

 

主な活動はレストランから出た生ゴミの生物分解処理、プラスチックを油に変換することによる資源化である。自分で用意をすることが難しい設備などは、現地の大学の協力を得て活動を行っている。

現在のステークホルダーとしては、現地の大学、レストラン、現地の学生等である。彼らの活動により、既に生ゴミの処理のモデル的な運用を行えているレストランが2件ある。今後も導入ケースを増やしたいところだが、現在は人手不足と処理後の廃液の使い道の検討中で、今後の基盤を整えることが先決だという。

 

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ジョグジャカルタ市内のレストランにて レストランの協力によりモデル的な運営が図れている。写真左:代表の宮﨑君、中央:協力をしてくれている店員、右:なぜか目をつむっている筆者

 

 

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普段は締め切っているが、バケツ内の処理の様子を見せてもらうことに

ハエの幼虫である大きめの蛆虫が生ゴミを処理し、結果として廃液が取れるという仕組みである。現在は廃液の活用方法を検討中である。

有効と思われる使い道として、肥料として用いることを検討していたが、実験により、植物の種類によって効果的なものとそうでないものがあることが判明し、廃液の品質の統一、性状を見極めるのにはまだ時間がかかりそうだ。

 

 

このような活動を続けている彼にこれまでに苦労した点、やりがいを感じた出来事を尋ねてみた。

Q.  活動していてどのようなことが難しいと感じましたか?

A.   やはり言葉の壁を感じることが多いですね。国民性、文化の壁なのかもしれませんが... あとはレストランでのゴミ処理についての活動ですが、何かと理由をつけて処理を続けてくれない、活動に参加してくれないケースもありますね。彼らのモチベーションを上げることが難しく思えます。

 

Q.  活動をしていてやりがいを感じたことは?

A.   この間、ゴミ問題の視察と活動を広めるためにスラウェシ島にプレゼンを行いに行った時の話ですが、インドネシア各地から集まっている高校生に大変興味を持ってもらえて、自分たちの地域でも是非やってみたいと言ってもらえたことですね。このような活動が広まることはとても嬉しく思います。

 

筆者も普段はジョグジャカルタで排水処理、衛生事情に関する調査を行っているが、いつでも臭いものに蓋ができてしまう状況、例えばゴミは家の裏に、排水は不十分な処理で地下や水路に、という状況も珍しくない。環境についての問題は後回しにされがちだが、このような何気ない生活が自分たちの衛生環境を脅かしているという現状に気づき、一人でも多くの住民に問題意識を持って欲しい。(大野翔平)

 

 

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