インドネシアの飲用水の衛生調査 〜結果〜
皆さんこんにちは!
先日、水道水(飲用水)の衛生調査の準備・計画編を投稿し、その実験を行いました。
この記事でも簡単にご説明しますが、詳しい内容を知りたい方は下の記事からご覧いただくことをお勧めします。
大腸菌群数測定試験の様子
大腸菌群とは、動物の腸内細菌(糞便生大腸菌群)や土壌細菌の総称で、大腸菌もその中に含まれます。一方、大腸菌は糞便生大腸菌群を測定するので、し尿由来の汚染の度合いをより正確に測ることができます。
大腸菌群・・動物のフン、土壌細菌など
大腸菌・・・動物のフン
つまり、飲み水において大腸菌の有無を調べることで、その水に由来する水系感染症にかかるリスクの有無を知ることができます。
測定結果
氷入りの紅茶、氷なしの紅茶、水道水、ミネラルウォーター、ガロンボトルのミネラルウォーター1ml中に大腸菌群及び大腸菌がどれだけ含まれているか検査を行いました。
氷入りの紅茶で1mlあたり178の大腸菌群のコロニーが検出されました。大腸菌が直接検出されることはなかったものの、大腸菌群は多く検出されました。
飲んだ紅茶が400mlだとすると、約70000もの菌が存在することになります。
大腸菌群のコロニーは赤色、大腸菌のコロニーは青色になります。
個人的に気になった水道水について、、、
水道水の汚染→汚染された氷→安全とは言えない飲みものの提供という流れで考えていましたが、なぜか宿の水道水からは大腸菌群は検出されず。その代わり白いコロニー?が検出されました。着色されなかったということは、大腸菌群、大腸菌以外の菌が存在しているのかもしれません(詳細は全く不明)
対策
一番肝心な対策についてです。
衛生インフラが発展途上の国では氷入りの飲み物、水道水の混入している飲み物はなるべく避ける。
また、氷に白い細かい気泡のようなものがたくさんあると不純物が含まれている可能性があるので注意する。ローカルの食事やに行くとだいたい白い氷、少し高級なレストランに行くと透明な氷が出てきます。
汚染の原因の予測、氷はどこから出来たのか?
氷ができるまでの道のりとして2つ考えられます。
・一つは、その店で水道水もしくはミネラルウォーターから氷を作っていてそのまま提供している。
・二つ目は、業者がどこからか氷を作ってきて店に売るパターン。
お店にある氷は、普通は発泡スチロールやバケツのような入れ物にビニール袋に包まれた状態で置いてあります。そして提供するときはアイスピックで砕いて出します。
汚染の原因は、水道水の配管が破損していてそこから土壌細菌などに汚染される、また氷を提供する過程が不衛生ということが考えられます。
まとめ
前回挙げた問いに答えると、
Q:インドネシアで氷入りの飲み物を頼んで衛生的に安全なのか?
A:水系感染症を引き起こす細菌が含まれる可能性があるため、安全ではない。
飲んでも確実にお腹を壊したり、水系感染症を引き起こしたりするわけではないですが自分の健康を守るためにも上記の対策を覚えておいたほうが良いと思われます。
また、本分析結果は特定の菌の種類を検出し、評価したものではないため一概にヒトの健康にどのような影響を与えるかまではわかりません。今後も、ローカルのレストランにて同様の調査を行い、何件中、何件の氷がどのように汚染されていて、氷はどこから来ているのかを明らかにしていきたいと思います。
Sampai jumpa! それではまた!